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「薬剤師だった私が5年ジャーナリングを続けた結果、起きた7つの変化」

  • 執筆者の写真: abcseminar1593
    abcseminar1593
  • 5月3日
  • 読了時間: 11分

更新日:6月6日

Close-up view of a journal with a pen on a wooden table
Close-up view of a journal with a pen on a wooden table

「ジャーナリングって、続けたら本当に何か変わるの?」

そう思ったことはありませんか。

書いてみたけど三日坊主で終わった。何を書けばいいかわからなくて、白紙のまま閉じてしまった。そんな経験がある方も多いと思います。

私はかつて病院薬剤師として、6年間働いていました。

患者さん一人ひとりの薬と向き合い、先生や看護師さん、そして患者さん本人と「どうすれば一番いいか」を話し合う毎日。ときには「薬を飲みたくない」という患者さんに、時間をかけて向き合うこともありました。

人の気持ちと、体と、ずっと向き合い続けた6年間でした。

そんな私が、ジャーナリングを始めたのは5年前のこと。最初は「なんとなく」でした。でも今では53冊のノートが手元にあります。

この記事では、5年間書き続けた私が実際に経験した変化を、できるだけ正直にお伝えします。「続けたら何が起きるのか」、その答えを探している方に届けばうれしいです。



ジャーナリングを始めたきっかけ

薬剤師は、なりたくてなった仕事でした。

両親が薬剤師で、幼いころから「薬って、人の人生に影響するんだ」と感じていました。大学も薬学部へ進み、病院薬剤師になることを選んだのは、学びながら患者さんの治療に貢献できると思っていたから。夢を叶えた、そのはずでした。

でも働く中で、少しずつ見えてくるものがありました。

子どもが熱を出しても駆けつけられない先輩。親が入院して認知症が悪化していくのに、そばにいてあげられない先輩。「これでいいのかな」と感じながらも、声に出せない空気。あるとき、どうしても納得できないことがあって、直属の先輩に打ち明けたことがありました。先輩は言いました。「わかるよ。私も同じ気持ち。だけど、上が言うことって絶対なんだよね」と。

その言葉が、どうしてもしっくりこなかった。

夢を叶えたのに、なんかちがう。でも何がちがうのか、言葉にできない。そのうちに、もっと深いところで問いが生まれてきました。

自分って、何だろう。何のために生きているんだろう。

答えは出ないのに、問いだけが膨らんでいく。そんな時期に出会ったのが、ジャーナリングでした。

最初は半信半疑でした。ノートに書くだけで何かが変わるの?むしろネガティブなことにフォーカスしてしまいそうで怖い。そんな気持ちもありました。

それでも、「書くだけで何かが変わるなら」。その一心で、続けてみることにしました。


5年・53冊続けた結果、変わったこと

書き始めてすぐに劇的な変化があったわけではありません。でも気づいたら、少しずつ、確かに変わっていました。

1. 感情に名前がつけられるようになった

以前は「なんかしんどい」「なんかモヤモヤする」で終わっていました。自分が何を感じているのか、正直よくわかっていなかったんです。

書き続けるうちに、「これは悲しいじゃなくて、悔しいんだな」「不安というより、怖いんだな」と、感情を細かく区別できるようになりました。

薬剤師として患者さんの症状を丁寧に聞き取っていたのに、自分自身の「心の症状」には、ずっと無頓着だったんだと気づきました。

2. 「流していた気持ち」を流さなくなった

忙しい日々の中で、自分の気持ちに気づいても「まあいいか」と流すことが習慣になっていました。

ジャーナリングを始めてから、書くことで「今日の自分」を毎日少しだけ受け取れるようになりました。うれしかったこと、しんどかったこと、納得できなかったこと。小さな感情を流さずにいられると、自分のことが少しずつわかってくる感覚がありました。

3. 苦しい夜に、自分を支えられるようになった

ジャーナリングを始めて3年が経ったころ、忘れられない夜がありました。

抗がん剤を使っていた患者さんが、副作用で亡くなりました。転移がなくなり、手術ができるところまで回復していた方でした。毎月入院されるたびに「しのちゃん、待ってたよ」と声をかけてくれて、いつも周りを笑顔にしてくれる方でした。薬剤師は患者さんに名前を覚えてもらえることがあまりありません。だから、名前を呼んでもらえるのは、本当にうれしかった。

そんな患者さんでしたが、ある金曜日の夜に緊急入院されて、週明け月曜日の朝、私が出勤したときには亡くなられていました。

頭ではわかっていました。薬の副作用は、薬剤師なら誰でも知っている。でも、目の前で起きると、それが自分の名前を覚えてくれていた人だと、理屈じゃなくなるんですよね。

その夜もノートを開きました。最初は「なんで」「どうして」という言葉しか出てきませんでした。「私に何ができたんだろう」そう自分を責めたりもしていました。それでも書き続けたら、最後に出てきたのは「ありがとう」でした。

名前を覚えてくれて、ありがとう。たくさん質問してくれて、ありがとう。頼ってくれて、ありがとう。いつも、冗談を言いながら、周りを笑顔にしてくれて、ありがとう。

書くまで気づかなかった気持ちが、そこにありました。たぶんジャーナリングをしていなければ、私は患者さんと向き合うことが怖いままだったんじゃないかなと思います。


4. 「自分が何者か」がわかってきた

ジャーナリングを続ける中で、少しずつ自分のことがわかってきました。

好きなこと、大切にしていること、譲れないこと。書き続けるうちに、それが言葉になっていきました。

そのひとつが、音楽でした。

幼いころ、京都の電車の中で祖母と並んで歌っていた記憶。気づかないうちに、ずっと好きだったんだと思い出しました。今ではギターの弾き語りをするようになりました。軽音楽部に入ったこともない私が、です。

夢を叶えて薬剤師になったのに「自分って何だろう」と思っていた私が、ジャーナリングを通じて、少しずつ自分を取り戻していきました。


5. やりたいことが明確になった

「好きなことを仕事にしたい」とは思っていても、何がしたいのか正直わからない、という方は多いと思います。私もそうでした。

ジャーナリングをしていると、繰り返し出てくる言葉や、テーマに気づきます。「また同じこと書いてる」と思ったとき、それが本当に大切にしていることのサインです。

書き続けることで、ぼんやりしていた「やりたいこと」が、少しずつ輪郭を持ち始めました。


6. 他人の目より、自分の感覚を信じられるようになった

もともと完璧主義で、周りの目がすごく気になるタイプでした。目標を口に出すのも怖かった。「言ってできなかったら、どうしよう」と考えてしまう。

ジャーナリングを続けるうちに、少しずつ意識の向く先が変わりました。「あの人はどう思うかな」より「私はどう感じる?」「私はどうしたい?」が先に来るようになったんです。

他人の評価より、自分の感覚。それが判断の基準になっていきました。


7. 「書くこと」が、自分に還る場所になった

5年間書き続けて、今思うことがあります。

ジャーナリングは、問題を解決するツールではないかもしれない。でも、どんな夜も、ノートを開けば自分に戻ってこられる。そういう場所が、自分の中にできました。

忙しくて余裕がない日も、悲しくて言葉にならない夜も、書くことで「今の自分」に会いに行ける。53冊のノートは、私にとって5年分の自分との対話の記録です。


なぜジャーナリングで変われるのか——薬剤師として考えてみた

「書くだけで本当に変わるの?」

私自身、最初はそう思っていました。でも5年間続けてきた今、薬剤師として学んできた知識と照らし合わせると、変化が起きる理由に確かな根拠があることがわかります。


感情に名前をつけると、脳の「警報装置」が静まる

UCLA心理学部のLiebermanらが2007年にfMRI(機能的MRI)を用いて行った研究があります。参加者にネガティブな感情を引き起こす画像を見せたとき、脳内の扁桃体(感情の警報装置とも呼ばれる部位)が活発になりました。ところが、その感情に言葉で名前をつけた途端、扁桃体の活動が低下し、代わりに前頭前野(理性的な思考を担う部位)の活動が高まったのです。

「angry(怒っている)」と言語化するだけで、感情の嵐に自然とブレーキがかかる。これを「感情のラベリング(affect labeling)」と呼びます。

ジャーナリングで「今日はなんか悔しかった」「怖かったんだと思う」と書き出す行為は、まさにこのラベリングです。気のせいではなく、脳レベルで感情が落ち着くメカニズムが働いています。

参考文献: Lieberman MD, et al. Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science. 2007;18(5):421-428. PubMed PMID: 17576282


書くことで、心だけでなく体も変わる

テキサス大学のJames Pennebaker博士は1986年からexpressive writing(筆記開示)の研究を行い、ストレスや辛い経験について書いた参加者が、身体的健康の改善を示し、通院回数も減少したことを報告しています。その後100以上の研究が積み重なり、書くことが心と体の両方に影響を与えることが示されてきました。

薬剤師として、薬が体に作用するメカニズムを学んできました。書くことにも、同じように心と体に作用するメカニズムがある。そのことが、研究によって裏付けられています。

参考文献: Pennebaker JW. Writing about emotional experiences as a therapeutic process. Psychological Science. 1997;8(3):162-166. / Smyth JM. Written emotional expression: effect sizes, outcome types, and moderating variables. J Consult Clin Psychol. 1998;66(1):174-184. PubMed PMID: 9489272


書くことで、バラバラだった思考がひとつの物語になる

Pennebaker博士の研究でもう一つ興味深い発見があります。書くことで恩恵を受けやすかった人たちの文章には共通点がありました。最初は断片的でまとまりがなかった記述が、書き続けるうちに「筋の通ったストーリー」になっていったのです。

頭の中でぐるぐると考え続けているとき、思考はループします。でも言葉として外に出すことで、客観的に見ることができる。「あ、私はこういうことを感じていたんだ」と、少し距離を置いて自分を観察できるようになる。

薬剤師として患者さんの状態を丁寧に記録し、客観的に評価してきた。ジャーナリングは、同じことを自分自身に向けてやることだと、今は思っています。


科学的なメカニズムはあります。でも一番大切なのは、仕組みよりももっとシンプルなことかもしれません。ジャーナリングとは、忙しい毎日の中で「今日の自分」と向き合う、たったそれだけの時間です。


ジャーナリングが続かない人がやりがちなこと

「書いてみたけど続かなかった」という声をよく聞きます。私自身も最初はそうでした。続かない理由には、実はいくつか共通したパターンがあります。


NG1. 「ちゃんと書かなきゃ」と思っている

日記のように、きれいな文章で書こうとしていませんか?

ジャーナリングに、正解はありません。文法が崩れていても、箇条書きでも、一言だけでも大丈夫。Pennebaker博士の研究でも、参加者には「スペルや文法は気にしないでいい」と伝えられていました。

「うまく書かなきゃ」というプレッシャーが、ノートを開く気持ちを重くします。まず、その「ちゃんと」を手放すことが、続けるための第一歩です。


NG2. ネガティブなことを書くのが怖い

「暗いことを書き出したら、そこにフォーカスしてしまいそう」——私も最初、そう思っていました。

でも実際は逆です。頭の中でぐるぐると考え続けているとき、思考はループします。書き出すことで、その思考が「外に出る」。外に出た言葉は、客観的に見ることができます。

ただし一つだけ注意点があります。ネガティブな感情をただ吐き出すだけで終わると、気持ちが重くなることもあります。書き出した後に「なぜそう感じたのか」「どうしたいか」まで少し掘り下げることで、気持ちの整理につながりやすくなります。


NG3. 毎日完璧にやろうとする

「毎日書かなきゃ」と思って、書けなかった日に罪悪感を感じていませんか?

続けることより、再開することの方が大切です。3日書けなくても、1週間空いても、またノートを開けばいい。53冊書いてきた私も、書けない日はありました。

ジャーナリングは、自分を管理するツールではありません。自分に戻ってくる場所です。「また来たよ」くらいの気持ちで、気が向いたときに開いてみてください。


NG4. 「何を書けばいいかわからない」で止まる

白紙を前にして固まってしまう、という方はとても多いです。

そういうときは、プロンプト(書き出しの言葉)を使うのがおすすめです。たとえば——

  • 「今日一番気になったことは?」

  • 「最近モヤモヤしていることを、とにかく書き出してみる」

  • 「今の自分に一言かけるとしたら?」

書き出しさえあれば、言葉は自然と続いていきます。日本ジャーナリングクラブでは、こうしたプロンプトを使いながら一緒に書く場を設けています。「一人だと続かない」という方は、ぜひ無料体験会を覗いてみてください。 👉 無料体験会の詳細はこちら


おわりに——書くことが、自分に還る道になった

「薬剤師だった私が5年ジャーナリングを続けた結果、変わったこと」を正直にお伝えしてきました。

夢を叶えてなったはずの仕事で、「自分って何だろう」と分からなくなった時期がありました。半信半疑でノートを開いた夜もありました。苦しくて、なんでとしか書けなかった夜もありました。

でも書き続けた先に、確かに変化がありました。

感情に名前がつけられるようになった。流していた気持ちを、受け取れるようになった。他人の目より、自分の感覚を信じられるようになった。忘れていた「好き」を思い出した。そして、何のために生きているかが、少しずつわかってきた。

ジャーナリングは、問題を解決する魔法ではありません。でも、どんな夜もノートを開けば自分に戻ってこられる。そういう場所が、自分の中にできました。

53冊のノートは、私にとって5年分の自分との対話の記録です。


ジャーナリングを始めてみたいけど、一人では続けられるか不安。

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「書き方がわからない」「続かない自分を変えたい」という方が、気軽に参加できる場所です。一緒に書く時間もあるので、その日からすぐに始められます。

 
 
 

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